ふるさとの自然と永い民衆の生活に育くまれた郷土の歴史や文化、いわゆる民俗文化は、私たちの精神的な土壌として、意識するしないにかかわらず、心の大きな支えになっていることは否定できません。ややもすれば忘れがちなその“母なる文化”を掘り起こし、理解を深め、自らのアイデンティティのよりどころを確かにすることは、とても大切なことではないかと思います。
あらゆる面について、それは言えることですが、とりわけ、音楽は今の生活の中に大きな領域を占めており、国際的な交流とメディアの発達ともあいまって、世界中のものがゴチャマゼになって日々身の回りに飛び交い、一種無国籍状態を呈しているといっても過言ではないでしょう。このような今の状況にあっては、郷土の歌や芸能のみならず、自らの国の音楽についても、理解を深め、さらに単に理解のみではなく、実際にその音楽や芸能を進んで体験することが実に重要になってくると思います。
ところが、あまりにも急激に世相が変動してきた関係で、そのような郷土、あるいは国の音楽や芸能は今伝承が危ぶまれている場合が多く、保存と継承がむずかしくなっているというのが現実でしょう。そのようなわけで、郷土および自国の音楽や芸能の発掘、保存や継承、さらにはその再創造に目を向け、資料を収集し、出版などを通じて啓蒙・普及をはかること、これが目下の急務と考え動き始めたのが当会の趣旨です。
むずかしいことはさておき、その内容が楽しいものになるように努力も怠らず、趣味として愛好する人達と手を携え、同好の人達を増やし、できれば地域の学校教育、社会教育、生涯教育などの場にも普及させることにより、地域文化の活性化、次代の健全な育成、国際理解の進展にも貢献することとなればすばらしいと考えています。

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